暑さの中、なんとか我慢我慢で凌ぎ切ったレースだった。昨年経験した痙攣よりも、今年の状態は酷く、ふくらはぎではなく太もも内側の内転筋だった為70キロで立ち止まった時は半分諦めかけた。それでも周囲のランナーからの激励を受け、サプリメントに助けられ、回復してからはいつもよりも楽しめたワッカ原生花園だった。
前半のペース配分も、例年よりは速かったが決して無理はしていなかった。NEWTONというシューズを履いていく中で自然に身に付いた心拍数とペースの関係だった。しかし結果的にタイムが縮まっていないと言うことは、それに伴う練習不足&筋力不足が現れているということだ。カラダを楽に運べるシューズを履いても、練習量なくしては結果は伴わない。
これがすべての結果である。

(白鳥のおふたりは顔出しNGということで)
ゴール後は、クリニックに参加してくれた方やワッカを共に走った方と言葉を交わした。このコンディションだったので、初ウルトラには厳しかったと思うが、リタイアしてしまった方も『また来年、必ず!』と力強く出た言葉が嬉しかった。
完走率49.9%はワースト2位の結果だった。
途中水不足もあったが、4000人近いランナーのサポートに当たって頂いたボランティアの皆さんには感謝したい。このような気象条件になることも考慮して、ランナー自身が準備頂くことをこれからは伝えていきたいと感じた。
また口蹄疫問題も浮上した中、開催を了解頂いた湧別町の地元の皆さんにも感謝しています。また来年サロマ湖が開催されることを願うばかりです。
最後に、今年もたくさんの方々から声を掛けて頂きました。ありがとうございました。
本当に嬉しいですし、『ブログ見てます!』の声が、生き甲斐です!同じウルトラマラソンを走るランナーでも、それぞれ大会に対する想いは違う。でも一緒に100キロ先のゴールへ向けてスタートを切ると言うのは同じなのだ。走るペースは違っても、同じコースを走り、同じ匂いを感じて走る。ゴールで味わえる達成感の為にランナーは走り続ける。それが初めてでも5回でも10回でも、僕のように18回走っていても同じ100キロはない。
リタイアしてたくさん泣いたこともある。すごく距離が進むごとに調子が上がってくることも!ダメだと思って諦め掛けても、周りのランナーに励まされ、並走して、復活して、ゴールまで行けたことも!簡単ではない100キロだからこそ、挑戦して見えてくるものがある!
ダメだった時にも、なぜダメだったのか?自分と向き合うことができる!もっと頑張れたのでは?全力を出し切ったか?の自問自答もあるかもしれない。結果がどうであれ、しっかりと自分が走った結果を受け止めて次のマラソンだけでなく生かすことができる!
皆さんのサロマ湖どんな風に感じましたか?また来年会いましょう!!
~レース分析に続く~
折り返しを目指すランナーも居なくなり、ランナーの足音だけが聞こえる。
するとサロマンブルーの松村さんを発見!松村さんもギリギリのタイムで完走される。サロマンブルー達成までのゴールタイムを平均すると僕よりもギリギリなタイムだ。
松村さんに会うのはいつも75キロ以降になってから。これはリズムというか、走り方が違うんでしょうね。ここ数年も、ワッカすれ違いで位置を確認するが、後方は僕の方だ。
ここまでくれば、完走は間違いない。
一緒に来ている仲間の話をしたりしながら、少しだけ並走。すぐにお互いのペースに別れた。
そして90キロ!
90キロ:11時間27分12秒/42分37秒
関門約3分前に通過!
予定通り42分台のラップタイムになった。少し先に90キロエイドがある。この先の関門はゴールの13時間までない。エイドは、ワッカの中はここを含めて3箇所。ラスト2キロ手前に1箇所だ。コース的なことではラスト4キロにある登り坂。ここを越えれば下りと平坦しかないので、30分あれば十分だ。
まずはしっかり補給!ショッツをガッツリ飲んで流し込む!それから脚元は、まだまだ動き続ける中で筋肉がオーバーヒートしないように、冷却し続けた。心拍数を安定させてから、ラスト10キロへ向かう!
エイドでは、白鳥を頭に乗せたさんしまるさんと一緒になり、話ながらスタートした。さんしまるさんは折り返しの近くのトイレで相方さんといるのを見掛けたが、今は1羽だけだ。低血糖でペースダウンしたらしく、相方さんは先に行ってもらったら様子。ブログ村ランキングでもチェックして頂いているようで、ギリギリなのはご存じのようだ。
また女性ランナーの方からも声を掛けて頂いた。
『鈴木さんに付いていけば大丈夫ですよね?間に合いますよね!』
『大丈夫ですよ!でも僕の前に居てください!走ったり歩いたりしてますが、僕に合わせるよりも自分のリズムで走ってくださいね!』
とお伝えして、さんしまるさんと女性の方は少し前へ走り出した。
僕は自分のリズムで確実に進む。2人との距離は徐々に離れていった。ほら!お互いのペースがいいんですよね!
また、途中でご夫婦でサロマンブルーメンバーのOさんの奥さんが道端で座り込んでいた。
『大丈夫ですか?』
『ものすごく眠くなってしまって・・・』
80キロの関門から前後しながらも、ここまで一緒に頑張ってきた。
『これ、甘いですけど飲んでみてください!』とショッツを差し出す。
かなり甘かった様子だったが、
『5分あれば歩けるようになりますから!』
と、先に走り出した。
そして93キロのいつもの景色が見えてきた。オホーツク海が広がっている。風が強いので波がたっている。この海と空と花のコントラストが絶妙だ。毎年ここに来れることを感謝しながら走る。今年はとても花が綺麗だ。特にエゾスカシユリのオレンジが映える!そして今度は右手に、走ってきた75キロ付近が見えてくる。


対岸なのにすごく遠い。あの場所を必死に走っていたのは、たったの2時間前だ。頑張ったな、自分!って思いながら走る。
まもなくすると、遠くにブルーのテントが小さく見えてくる。95キロのエイドになる。
下りから平坦になり、自力が問われるところだ。その途中、Aさんが追い付いてきたので『最高の笑顔で~!』と言ってポーズをとってもらいました!
ナイスランです!さらに先程座り込んでいたOさんも、復活の走りで僕を追い越していく。
僕はここから時計とにらめっこ!確実に間に合う!もし痙攣が起きてもこのタイムならば大丈夫だ!まずは95キロのエイドに到着。
少し先に95キロ表示がある。しかしトイレに行きたい!最後に行ったのは63キロのスペシャルドリンクの場所だ。あれから4時間半が経過しようとしている。70~80キロでは行くタイミングがなかった。90キロでは、関門の手前にトイレがあるのだ。もしトイレに行って、扉が開かなくなったら!?間に合わない!などと考えると、行くに行けず95キロまでやって来た。
95キロ:12時間15分33秒/48分20秒
このラップタイムだが、90キロを越えてのエイドをプラス。さらに細かいながらもアップダウンがあるコースなので、48分は許容範囲だ。そしてラスト5キロで45分残せた。野辺山の時は42分しかなくて登り坂!ラスト知り尽くした5キロだから、自信があった。しかし、トイレに関しては止まったらいけないと思い、我慢して走り続けた。
この先からはカウントダウンの表示に変わる。
あと4キロはあの登り坂の途中だ。あそこまで頑張ろうとするが、やっぱり200メートルくらいしか走れない。それでも確実にゴールへ近づいているのだから、問題ない!
ショッツを含みながら走る。ゴール後のガス欠で低血糖になることが多いが、最後にもこまめに摂ることで回避できる。先程のOさんの回復振りをみても、やっぱりショッツだ!そして坂の麓まで行き、歩く!今年は本当に綺麗なワッカ原生花園だった。また来年!
さて、あと4キロ。
少し木々が立ち込める中をゆっくりと進む。走れるところは下り坂。骨盤の動きで前には行くが、早くもなるので脚への負担も大きく、あまり継続できない。すぐに小さい歩幅に切り替えて走ったり歩いたりする。前後にはかなりランナーは少なくなった。そして80キロの関門があった場所を通過。ここにもトイレがあったが、パス!
ワッカの出口へ向けての下り坂は、さすがに走れなかった。エイドが近いこともあり、応援の方もいて、その前だけはしっかりとした足取りで進む。
最後のエイドでは手持ちのショッツを水で流し込む。ラスト2キロの看板を左折した先に確認して、時計を見る。
残り18分。
沿道には小さいお子さんを連れた奥さんが応援している。後方からパパがやって来るようで、『パ~パ~!がんばって~!がんばれがんばれパ~パ~!がんばれがんばれパ~パ~!』大きい声で声援が飛んだ!いいなあ、みんな応援に来てるんだ。その後も精一杯の子供達の声が響く!その声を聞きながら、家の子供達も応援してくれているに違いない!富士五湖では家族総出で応援に来てくれて、最後まで声を張り上げていた。また昨年の信越五岳では、窓から見える『あの山のもっと遠くの山で走ってるから、応援してね!』とお願いしていた。帰ってきた時には『お山に向かってがんばれ~!って応援したよ!』と言ってくれた。今回は北海道に100キロ走ってくると伝えたので、また応援してくれているに違いない!
段々と小さくなる声を力に最後の1キロへと向かう。
そしてラスト1キロ表示が見えてくると、今度はトランペットを演奏する男性が1人!その男性は『ロッキーのテーマ』を吹いていた。そして僕の時には『スーパーマン』に変わったのだ!おそらく何曲か吹き流していたのだろうが、その『スーパーマン』がとても印象的だった!あの『スーパーマン』のオープニングテーマだ!これには思わず拳を挙げて応えた!ありがとうございます!
そして前後の間隔を取りながら、国道を離れ、ゴールの常呂町民センターの緑を目指した。残り時間はあと9分くらいはあっただろう。しかしあの子供達の声援とトランペットの演奏に押され、ペースが上がる。徐々に両側に人が増え始め、声援が大きくなる!この場所は何度走っても嬉しい!クリニックに参加された方も『店長~!お帰りなさい!』と迎えてくれた。一緒に来た仲間達は、最後のゴールの直線に入って右側にいた!すると『鈴木くん速過ぎ~!』の声が!『いやいや、こっちだって必死なんですから!』
時計は12時間58分ですよ~!(汗)
そしてゴールテープに向かうと、前の方にランナーの集団が歩いてゴールを切っていて、前との間隔が詰まってしまった!位置取りを修正して、立ち止まらずにゴールテープを切った!
100キロ:12時間58分02秒/42分29秒
出発前にも話題にしていたゴールのポーズ!今回はこれでした!
わかります?そう15です!ワッカに入ってから考えました。ゴールが見えましたから!
ガッツポーズはありきたり。バンザイじゃないな?今年は15回!来年は16回。回数を表現できるのは、今回しかないなと。あとは15の出し方。お腹の辺りで15!じゃ、様にならなそう。数字を並べようと、水泳のけのびのように伸びてもおかしいよな?
やっぱりこれ!となりました。でも、人より手が長いので写真からはみ出ないか?心配に。でもこの角度ならバッチリですね!
ということで、15回目のゴールを無事に達成することができた。

鶴賀を後にしたその直後に
『リタイアする方は、こちらのテントでお待ちください』
とある看板が。まだ制限時間は過ぎていないのに、この表現はいかがなものか?
間に合うはずの関門に、もう間に合わないみたいに受け取る人もいるのでは?
また自らの意思で止めます。というのを、勧めているような感じがした。
もちろんまだテントの中には人はいなかったが、止めてなるものか!と闘志を燃やした!
すると前方のトイレ付近から出てきた安田さんを発見!しかし、気が付くと前に安田さんの姿はなかった・・・あれ?また飛ばしたのかな?安田さんとは、先月の野辺山でも71キロ以降一緒に走ったが、ダッシュ力が半端じゃない。あっという間に視界から消えていく。しかしまたエイドにはいるので、エイドをスタートするのは僕の方が早くなる。前後しながら安田さんが先にゴールするのだ。安田さんはここまで来ていれば心配ない。
問題は僕の方だ。
さて74キロ到着は9時間13分。80キロまでは残り47分。まだキロ8分でも間に合わない・・・。
これからはサイクリングロードに入り、対岸のワッカにランナーの姿を見ながら走る。75キロ通過が40分を切ってしまうとかなり厳しい。なんとかワッカに入りたい一心で、頑張る。
75キロ:9時間21分17秒/39分17秒
痙攣が収まっているので、40分を切るラップを刻むことができた。被り水やエイドも最小限の時間で済ませた結果だ。そして80キロまで40分43秒で走らなくてはならない状況は変わらない。
70キロ過ぎから抜きつ抜かれつをしていた、クリニック参加頂いたSさんと再び一緒になった。今年はいつもよりもこのサイクリングロードにランナーが少ない。Sさんと並走する中で、嬉しい言葉を頂いた。
『鈴木さんのブログは、何回も読み返しました!』
特に完走記はかなり頭に入っているようで、走りながらのレクチャーは不要だった。内容的には、80キロ手前500メートルにエイドがあるから、エイドでは飲み物を飲んで食べ物をゲットしてから走る!関門を過ぎてから、補給をすると言うことだ。
2人で会話をしながら走ると距離が短く感じる。
77キロ過ぎの被り水では給水車が来ていたので、被るだけではなく、冷たい水が美味しかった!頭から脚までキンキンに冷えた水を被り、スタートする。
この先は大きな登りはワッカの入口までない。まずは80キロ手前のエイドを目指す。Sさんとの並走は78キロまで。段々と調子が上がってきたので、先に行かせてもらった。
良いリズムだ!キロ7分くらいまでは上がってきた。79キロを過ぎ、関門閉鎖まで9分となった。これは大丈夫だ!前方には63キロでお会いしたNさんが見えたので、コーナーを利用して手を挙げて存在を示した。
そして80キロ手前エイドに到着する。ここには3回目のスペシャルドリンクがある。そして今回は、ここに3本目のフラスクも用意した。一緒のケースにショッツワイルドビーンが2本とフィードバックプロテイン1本が入っている。まずはシェイカーの中身をそのままに、水をコップ2杯分入れる。そして蓋をして完了!
スポーツドリンクを軽く含み、ワッカの入口の登り坂まで走る。そして関門まであと500メートルの看板からは、坂道を歩き出した。急な斜面は歩き、緩やかになれば走る。関門ギリギリなので、僕を追い越していくランナーは増えてきた。僕は80キロからの体力温存も含め、歩きを増やした。
しかしながら、77キロ以降バッチリ回復した!ここまで貯金が作れるとは思わなかった。70キロ手前の状態が嘘のようだ!やっぱりサプリメントが効いたのだ!実際、80キロのラップを刻み、自ら驚いた。
80キロ:9時間58分30秒/37分12秒

距離が短いか?いやそんなはずはないだろう。明らかに、鶴賀リゾート以降リズムが変わった。歩くにしても、呼吸や脚のダメージを最低限回復させる為だけにした。そのリズムがこのラップを呼び込んだ。
さて、80キロの関門を過ぎてから行うことは、スペシャルドリンクだ!Sさんも到着し、同じくスペシャルドリンクを作成する!テーブルもないので、道路にシェイカーを立てるが、今回は水が先に入っているのだ。
カラダを冷やすのにまず使い、その後ショッツ・ワイルドビーンを2本。それからフィードバックプロテイン!本日3回目のシェイク&シェイク!旨いぞ~!!
3本目のフラスクはポーチねじ込む。これは想定内だ。ポーチの中身は減ってくるので、無理矢理だが詰め込んだ。フラスクの方が量を調整できるから、細かい補給にはやはり便利だ。スペシャルを飲み干し、ごみをシェイカーに入れてスタート!次のエイドで処分する。

いつもならば80キロ突破時点でカラダは目一杯になる。
しかし今回はかなり元気だ!歩くというよりも、走っていたい。
ゆっくりではあるが、歩いているより楽な感じがする。
やはりメンタル的なところは大きい。
80キロまで間に合うかわからないという状況から、解放された安心感だろう。
そして戻ってくるランナーには『ラストガンバです!』と声を掛ける。

ようやくワッカ原生花園までやって来た!
するとアシックスの草山さんがやって来た。いつもはワッカでは会えない人なのに、暑さのせいでタイムにも影響が出たのだろう。草山さんはラスト4キロ。こちらはここに戻って来るまで、14キロあることになる。
まあそんなことは関係ない。
1キロごとの表示でしっかりとペースを刻めば、淡々と距離を踏むことができる。アップダウンにあわせて歩きも交ぜるが、81キロではスペシャルも入れてキロ9分で刻めた。
意外だったが、カラダは動いている証拠だ。まずは復路95キロにあるエイドを目標とした。
前方には歩いているよりランナーも多く、抜き際に声を掛ける。
『走ったり歩いたりでいいので頑張りましょう!見える位置でついて来てくださいね!』
平坦でも歩いてしまうのは仕方がない。しかし走ろうとリズムさえ掴めれば、歩きっぱなしにならずに済むのだ。ワッカまで辿り着いたのだから、ここまで来たのだから諦めずに進んで欲しい!サロマンブルーメンバーの役目ではないが、まだ間に合いますよ!と、背中を押したかった。
まずはエイドに到着。シェイカーを水で洗う。綺麗にしてから真水だけを1/3くらい入れる。飲んだり、カラダを冷やしたりする為だ。こうする為には、シェイカーも握れる太さが好ましい。ここではたくさんの氷もゲットして、バンダナにしまう。
脚の状態はどうだ?70キロ手前が嘘のように快調だ!登り坂は走れないが、立ち止まることはない。確実に距離を稼いでいる。
戻ってくるランナーに声を掛けると、笑顔が返ってくる!中には『またギリギリで~!』と言う声や、顔だけはニコニコなんで、『ずいぶん元気だね!』と会話が弾む。クリニックに参加された方や、知り合いの方とはハイタッチを交わし、互いにエールの交換をした。
85キロ:10時間44分35秒/46分05秒

トータルではここまでで借金はない。46分でラップタイムを刻んだが、スペシャルドリンク調合の時間も含めてなので実質42分くらいでは走れている。休憩時間として3分取れると考えれば、この先昨年のように痙攣が起きてもカバーできそうだ!
85キロを過ぎるとワッカネイチャーセンターとの分岐点に差し掛かる。ここにはへろへろや巨人軍団など、たくさんの応援団が集結している。たくさんのパワーを貰える場所だ!ここでも、『あっ、鈴木くん来た~!』とか、『やっぱギリギリだ!』と声が飛ぶが『すいません、今年もギリギリで~す!』と笑顔で応えた!


この先ワッカ折り返しまでが昔は長く感じた。しかし今年はあっという間に折り返しを迎えた気分だ。それはたくさんの仲間やお客さん、そしてブログを通じて僕を知って頂いている方などが、声援を送ってくれるからだ!写真を撮ったり、ハイタッチしたり!楽しくて仕方がなかった!
折り返して90キロの関門ではあと3キロ。
30分のゆとりはないものの、キロ9分で間に合う計算も立った。
そしてサロマ湖の第2河口に掛かる橋を渡り折り返しになる。橋を渡りいよいよ折り返しだ。ここの景色はいつも通り変わらない。橋を渡る時に初めて気が付いた横断幕があった。応援には誰もいなくても、ランナーを支えてくれる。
さてあと1.5キロで90キロだ!
『その一歩の先に続くのは、歓喜の道』
折り返しを目指すランナーの中にお客さんを見つけた!十分間に合うペース!後で追い付かれるかな?
折り返してから、向かい風に変わった。すると今まで暑過ぎて大変だったところから、汗が乾きスーっと涼しい風を感じるようになった。湿気はないので、腕捲りした袖には塩が吹き出す。さっきまであんなに濡らしていたのに。もちろん汗も出にくいペースになっているのだけれど、この辺りから少しだけ冷える感じが出てきた。
今回は54キロの時点でこれだけ暑ければと、長袖を着ずにアームウォーマーのピックアップも考えたが止めた。これまでの流れでは吉と出たが、やはりワッカは冷える。速い人ほど暑い中のレースとなったはず。しかし時間が掛かる程、長袖なり、肌の露出を少なくして冷え対策にする必要性を身に染みて感じた。
残り1キロ。まもなく90キロだ。
エイドを離れた僕の走り方は、まるで短距離選手みたいだったかも知れない。
しかしそれも64キロまで・・・。
カラダに鞭打っている状況なので、内転筋がプルプルしてきた。ゆっくりペースを落とし、立ち止まり、また走り出す。木陰の中、今までよりは比較的涼しく走れるので、心拍数は上がらない。なんとか1キロごとの表示から、ペースを把握。
65キロ:8時間00分23秒/44分16秒
なんとか目処が立ったか?残り5キロを45分。もちろん70キロで関門に掛かるつもりはない。これからは5キロ40分、キロ8分で走らないと後々が厳しくなる。走るペースをキープしながら、100メートル走っては20メートル歩く。このリズムが適しているようだ。
魔女森を抜けて、ここからは私設エイドが増えてくる。今年はとてもありがたい、オアシスだ!普段はすべて立ち寄ると時間ばかり掛かってしまうのでパスするのだが、今年は確実に利用させて頂いた。
佐呂間大橋に掛かると、少しの登りや段差がキツイ!もうすぐ斉藤商店に到着。もうちょっとだ!粘れ粘れ!黄色建物が目に飛び込んでくると、気分的に晴れやかになる!
暑い今年は冷たいおしぼりが最高!顔を拭き、首を拭い、顔面に押し付ける。
しあわせ~!ありがとうございます!
冷たいお茶と水で中から外から冷やして、いざスタート!
ここから70キロ関門まであと15キロ。このままならば、40分の貯金が確保できそうだ!
歩道を走ると、ちょっとの段差が厳しい。路肩に降りて、脚を引き摺りながら進む。
70キロ手前のエイドに到着。
この先、72.5キロの被り水、74キロ手前の鶴賀リゾートとエイドの間隔が空く。
ここではバナナだけを貰い、脚に水を掛けてスタートした。
エイドを抜けて、70キロ関門の曲がり角が先に見えてきた!
あと600メートルぐらいだろうか?
その時!再び痙攣が発生!
内転筋とスネから指先に掛けて、部位は変わらない。走り出すにも、今までよりも吊り感が強く、前に進めない。今までにない不安に襲われた。
知り合いのランナーからも声を掛けて頂く。
『頑張って!(お仕事で来られなかった)Oさんの分まで!』
『まだまだ間に合うぞ!』
はっ!とさせられた!自分は恵まれている。アートスポーツに勤めているから、走りに来ることができる。『鈴木は棚卸しが重なっても、サロマ湖には行くよな!』と周りから言って貰える。こんな恵まれた環境はない。今回、仲間で2人の方がお仕事の都合で休めず不参加となった。その方々の為にも、リタイアでは終われない。
しかし、踏み出すものの脚が言うことを効かない。
最大のピンチだ。
そんな時は『サプリメントに頼るしかない!』
ドラえもんの四次元ポケット的なポーチにはたくさんのサプリメントが入っている。藁にもすがる思いで、『なにか効け!』と摂取した。
まずは「ショッツエナジージェル!」困った時のショッツだ!超即効性エネルギー!2本分!
続いて「アミノダイレクト5500!」乳酸分解のクエン酸プラス、血管拡張シトルリン!
そして「脱水対策塩熱サプリ!」中盤に摂るのを怠ってしまった!それが今の現状か?
これらのサプリメントが効かないと、この脚の状態では走れない。70キロの関門が遠くに感じた。何度も屈伸やストレッチを重ね、脚を叩く!
痙攣が引いてくると、歩きのペースから進める歩幅を探る。ピクピク違和感を感じながらも、徐々に走るリズムが出てきた。が、30秒も続かない。時計は8時間40分を回る。関門は間に合う距離にある。あとはどれだけ借金を少なく済ませるかだ!50メートル先の70キロまでが走れない。なんとか手前10メートルから走り出し、70キロの関門を通過した。
70キロ:8時間41分59秒/41分36秒
約3分前に関門突破!
この5キロのペースだと間に合わない、80キロ。
痙攣がまた酷くなると・・・あまり考えないようにした。とりあえず、何度も通った道だ。このコースに小細工は効かないと。自らの脚で前に進まなければ、何も始まらないのだ。
70キロの通過から、ジッと立ち止まることはしなかった。まずは歩いて前に行く。
お客さんのTさんとしばらく一緒。しかしTさんは3分走って1分歩く作戦だと言う。こちらは200メートル走って、30メートル歩く作戦。このTさんと僕の走りは、一緒には走れない。それぞれが持つリズムがあるのだ。
Tさんは僕より前に!と言う安心感(制限時間ギリギリ)が、そうさせるのか?僕は必ず行きますから!絶対に間に合わせますから!と言う気持ちで、走る。僕はTさんの背中が小さくなるのを見つめながら、自らのリズムを優先させる。
このペースならば大丈夫だ!この先の計算を口ずさみ計画する。
まずは74キロの鶴賀リゾートの到着時間だ。実際は74キロ手前なので、あと7キロと思って計算する。
7キロを8分ペースだから、56分。鶴賀出発は9時間04分と組み立てた。
これは70キロから約3分の借金を返せた場合。とりあえずは鶴賀到着を目標とする。
とは言え、この直線は長い。
遥か先に霞む鶴賀リゾート。その前に72.5キロの被り水に辿り着いた。ここでも氷をバンダナに挟み首から冷やす。下半身はこれでもか!というくらいビシャビシャに濡らす!陽射しはまだ高く、風向きからしてもまだまだ暑く感じるのだ。
今のところ痙攣の兆候はない。何が効いたかな?先程のサプリメント摂取の分析で、気分を紛らわせながら鶴賀リゾートを目指した。ふと時計に目をやると、9時間06分をまもなく迎える!
えっ!ヤバ!
73キロに想定した鶴賀。実際は74キロ目前。1キロの誤差は8分のゆとりに繋がると言う考え方だが、この時点で9時間06分だと、出発は9時間10分くらいになる。74キロを通過した時点でしっかりと48分の貯金ができないと、腹をくくった。
鶴賀リゾートに到着すると、いつものへろへろの応援部隊がいた。
『健司くん、まだこんなところに居たの?』的な(笑)励ましを受け、エイドに到着。ふと脇を見ると、今まで見たことない光景が!
『おしるこの大群だ!』
前回食べたのは3年前?か4年前?この時間の到着ならば、なくても仕方ない。しかしこれだけ余っているのは、リタイアの方が多いということを表している。『鈴木さん!おしるこあるよ!』の声に、『食べたいけど、ゆっくり食べている時間がないです~!』と、おしるこを受け取り立ち止まらずに歩いた。
甘い物は食べたかったので、汁だけ飲んでスタートした。
と言っても歩いているだけだが。
50キロ:5時間43分46秒/37分33秒
戻ってきたな。登り下りも含めてうまくまとめられた。しかし暑っい!この登りは長いので、歩きながら休憩を挟む。すると後ろからチームへろへろのりきさんが登場した!
りきさんは11時間30分くらいで走る実力の持ち主!しかし今回はかなり自重している様子。暑いサロマ湖を僕と同様に落としているので、今年は慎重に成らざるを得ないはずだ。こちらも歩きっぱなしにはいかないので、そろそろ!と思った瞬間に異変が起きた!
なんと痙攣だ!部位は内転筋!
走り出そうにも、ピクピクいって脚を真っ直ぐ振り出せない。
またか~!
昨年のサロマ湖を思い出した。この先の52キロ付近で右ふくらはぎ痙攣。なんとか持ち直したが、今年はタチが悪そうだ・・・。
まずは負担が掛からないように歩く。歩幅が広がるだけでピクッとするので、まずはちょこまかちょこまか歩く。下りになればなんとかなると思い、51キロまで進むと10分掛かっていた!
あやや~!50キロまでの貯金はなくなるな・・・。逆にここを50分で行ったら、非常にマズイ!70キロ・80キロの関門が危うい!なんとかしないと!(焦)
しかし下りになっても一向にピクピク感がなくならない。一応走ってはいるが、長くは続かないし、立ち止まってしまう。そして何度もストレッチをする。なんとか坂下にあるエイドに辿り着かないと!様子を見ながら歩いたり、走ったりしてなんとか到着した。
50キロからがとても長かった!ようやく到着したエイドでは、まずバケツに向かう。バンダナを濡らし、タイツを濡らし、ソックスにもたっぷり水を掛けた。固形物はいつもより摂っていたが、ここでもバナナとレモンにかじりついた!そして、やや右足のシューズに圧迫感が気になったので、イスに座り靴紐を少し緩めた。
暑さでミネラル不足が原因か?塩熱サプリなども摂っていたが、痙攣してしまった。いつもよりも脚が浮腫む感じがあるのも、やはり暑さの影響があるのだろう。座った状態で、内転筋とスネをマッサージする。スネから足の甲のスジを通り親指まで、ビビッとくる!思わず『ウッ!』っと声を出してしまうので、立ち上がり、イスを使いストレッチした。
この先あと3キロで55キロ手前のグランディアに到着する。コース的には平坦が1キロ続き、その後一山越えて、また登り始める。
休んだ分は走らなくては!まずは平坦でどのくらいのペースまで回復しているか確認。その後の登りは様子を見る作戦でスタートした。
なんとか吊らずにに走り出すものの、52キロを過ぎてすぐの所でまた立ち止まってしまう。特に右脚のスネから親指にかけてがつってしまい、脚を真っ直ぐ出そうにも、捻れている感じだ。違和感を持ちながらも着地していくと、徐々に元の状態に戻りつつある。右脚には負担を掛けないように、重心は左に寄っていたと思う。バランスが崩れながらも、負担の掛からないところを見つけて進んだ。
53キロからの登りも様子を見ながら走る。距離的には少しの山越えなので、我慢のしどころだ。下ってすぐにまた緩やかに登り出す。前方にグランディアの建物が見えてきた。この50キロ付近で、昨年僕に四つ葉のクローバーをくれた湧別中学校のE先生とお会いできた。こちらにも余裕がなかったので、ちゃんとご挨拶できなくてごめんなさい。ナンバーでわかりました。
グランディアに向けても、僕と先生は前後する。
先行してエイドに到着すると、沿道から『E先生は頑張って~!』と声援が飛んだ。
グランディア到着時間は6時間23分?
昨年よりは早い。しかし脚の状態は悪い。出発時間を6時間35分に設定。トイレは55キロまで登った先の仮設で済ませようと決めた。
預けていた荷物は、以下の通り。
X-FIT長袖、アームウォーマー、ファイントラック、フラスク(ショッツワイルドビーン3本入り)、ベスパEX80、ベスパハイパー、OS01ゼリーだ。
ウエアに関しては、この暑さから変えずに行くと途中で決めていた。汗の掻き過ぎによる脱水は気を付けたい。このままのペースだと、ワッカも含めて歩いている時間はないので、汗を掻き続けると考えた。
ポイントにしたのは補給だ!
到着時、ご飯などの固形物は避けたい感じだったので、バナナだけ摂る。そして今回は、後半用と思って用意したベスパをとにかく効いて欲しいという思いで2つ共摂取した。

フラスクをポーチの前半分と入れ替える。冷水のプールの脇で準備を整え、トランジッションバックから最後にOS01ゼリーを取り出し、預けた。
そして冷水を下半身に掛けスタートしようとしたが、水分を飲んでいなかったので、スポーツドリンクを飲んでからスタートした。
手に持ったOS01ゼリーは、脱水症状対策にお客さんからご紹介頂いた。スポーツルートでは販売しておらず、ドラッグストアで購入した。スタート時間は予定の6時間35分で行けた。
まずは坂道をゆっくり歩いて、緩やかになってから55キロ、そしてトイレへと流れた。
55キロ:6時間37分53秒 /54分06秒
ラップタイム54分台。これは仕方ない。50キロ過ぎの痙攣と着替えエイドでの休憩。プラスになる為の休憩だ。まずはトイレを済ませ、コースに復帰する。
これからの制限時間を考えると、余裕はない。
計画通りキロ8分の40分で進むことがベストだろう。
目立った登りはない。緩やかに下りながら56キロを過ぎ、緩やかな坂の先に47.5キロの被り水を確認する。
しかし、ここの被り水はなかった。前を行くランナーの動きから想像はできたが、やはりないのはキツイ。昔よりもランナーの数が増え、暑さ対策を準備して頂いているが、やはり間に合わないのだ。これだけ暑ければ、被り水をするランナーも増え、どこのエイドでも足りなくなってしまうのだ。ないものは仕方ない。
あと2.5キロ進めば、60キロだ。我慢我慢。
キロ表示からペースを確認すると、走っては歩きの繰り返しだが、7分ちょっとで走れている。さらにトイレのロスの借金を返す形で、5キロ38分の目処はたってきた。
そして58キロを過ぎ下り坂。再びサロマ湖湖畔の平坦が続く。先には60キロエイドの白いテントが見える。まずは60キロ!と意気込むが、裏腹に脚を痙攣が襲う!スネから指先!真っ直ぐに脚が上がらない。仕方なくストレッチで休息。脚をパンパン叩いたり揉んでみたりするが、前に進みながら様子を見るのが、一番効率が良さそうだ。
ようやく到着した60キロ。
60キロ:7時間16分06秒-38分13秒

このラップまで戻ってくれば、かなり良い!しかし、被り水がなかったから。また下りが多かったと理由を考えると、これからが気を抜けない。
60キロのエイドでもゆっくり休みたい。
昨年よりは余裕がないので、キロ8分のラップよりも貯金が欲しい!70キロ関門閉鎖が8時間45分。しかし前々から言うように、ギリギリでは75分しか残らないので、80キロが厳しくなる!70キロは8時間40分以内で抜けなくては、この脚の状態ではキツイ。まだ70キロ閉鎖まで約90分あるが、エイドに立ち寄っている間に85分へと短くなった。
まずは進むしかない。
実質80分でクリアしなくてはならない、60キロから70キロ、55キロから60キロまでのように惰性で走れる場所はほとんどない。走り出すものの、すぐに始まる登り坂を前に歩いてしまう。61キロですでに12分。休憩を加算してもこれ以上は遅れられない。なんとかキムアネップへ向けての登りをパスし、左折して下りへ。この先被り水があるはずだが、恐らくないだろう。エイドが63キロ過ぎにあるので、そこまで頑張ろう!
下り切ってキムアネップ。
ここは対岸の遥か遠くにワッカ原生花園が見える。遥か88キロの折り返し地点近くの橋が微かに見えるのだ。そしてサロマ湖からの風が吹いてくる。少しだけ暑さから解放された。しかしあの場所まで辿り着けるのか?
確証はなかった。大きく広がるキムアネップ岬。近くのユースに宿泊した際に自転車で巡った。9月には珊瑚が綺麗らしい。時期を変えて来てみたい場所だ。
コースは63キロに差し掛かり、その先にはエイド。
そう!ここにはスペシャルドリンクがある!到着時間を確認!歩きが多くなっているので、キロ8分の貯金はない。まずはスペシャルドリンクで、80キロまでのパワーを補給する。
すると、昨年ラスト1キロで『写真撮りましょうか?』と声を掛けてくれたNさんがやって来た!
『やっと追い付いた~!完走は大丈夫ね!』
『いや~かなりギリギリなので、ここから飛ばしますよ!その前にトイレ!』
この先通称『魔女の森』が控えている。18年目の僕には魔女の魔法は効かない!この涼しい魔女森をパスし、一気に70キロまで8分の貯金まで回復させたい計画だ。この先どこで再び痙攣が起きるかわからないので、絶対に8分が欲しい!
『さあ、行くぞ!』と気合いを入れ直した!
そして25キロ過ぎのエイドを迎えた。
ここではバナナを一切れくわえて、被り水をしっかり使って冷や氷が出てきたのでバンダナの後ろに挟んで走り出した。『ん~!快適!』溶け出す氷が首筋からカラダを冷やす。
再び長い直線コースになると、曲がったところに30キロだ。手前にスペシャルドリンクなどのエイドがある。あまり距離を気にせず、黙々と走り続けた。

ようやく左に曲がるランナーの姿が遠くに見えてきたので、エイドが近づいてきたを感じた。
ちょうどそこへやって来たのは恭子さん!
有美さんと同級生の恭子さんも速い。昨年は12時間前半だ。そして一緒にスペシャルドリンクコーナーへ!ナンバー順に並んでいるが、自分で探さなくてはならない。
恭子さんは見つからず通り過ぎてしまった!(笑)いやいや焦らないでいきましょう!

一緒に縁石の上にシェイカーを並べてショッツワイルドビーンを2つとフィードバックプロテインを1本入れる。そしてエイドで水を貰い、ひたすらシェイク&シェイク!初のダブルワイルドビーンは旨かった!いつもよりも濃厚なコーヒー味が、ガツン!ときた!
これは次の63キロが待ち遠しい。
エイドでも固形物を摂り、パワーアップ!まだまだ美味しく食べることができている。この先変わらない単調な道を、いかにキープできるかがポイントだ。
そして30キロ。
30キロ:3時間13分43秒 /36分30秒
スペシャルドリンク作成とエイド補給で約3分は使っていると考え、実質33分30秒と言う計算。決してペースが大きく崩れてはいないのだ。また貯金は約16分ある。この暑さからエイドでの休憩を増やさざるを得ない状況だ。十分な貯金が貯まっている。
30キロを過ぎて、再びコースは太陽に向かって走る。すでに陽射しは上からになってきている。ジリジリと照りつける太陽との我慢比べが始まった。32.5キロの被り水をまた利用し走り出す。
エイドまではもうまもなくだ。
35キロのラップをまた35分以内に収めたいがうまくいくだろうか?
35キロ以降は徐々にアップダウンが出てくるので、この30~35キロではしっかりとペースを維持したいと考える。
エイドに到着すると、スイカにスポーツドリンクにやはり最後は被り水!と時間を掛ける。立ち止まってストレッチなどは脚の状態からしてまだ大丈夫。程なくエイドを離れることができた。
そして突き当たりの森を右折し、少し涼しい日陰を進む。まもなく国道238号線に合流。そして35キロとなる。
35キロ:3時間48分21秒/34分38秒
ここはイメージ通り!
無理してエイドを切り上げたり、ペースを上げずにしっかりと戻すことができた。これは大きな貯金だ。
そしてずっと行きたかったけど、忘れていたトイレ・・・。
スタート前に済ませ約4時間。そろそろかな?35キロ過ぎてトイレがある。3つ仮設が並んでいて、下り坂からバッチリ見える位置だ。並んでいるランナーは2人。トイレから出てくるランナーが2人!
これはラッキーか?と思ったのが50メートル手前。僕の前を走るランナーも、その様子を見ている訳で・・・僕が横を通過する時には5人の列ができた。
こりゃパスだな。
走りに集中していれば、トイレは近くならない!もちろんカフェイン入りのショッツワイルドビーンが効いているに違いない!
トイレを見送り、坂道を登る。この坂は決して急ではないが、今年は歩いている人が多いのにビックリ!それだけ皆消耗しているのだろう。
登り切ると芭露の町まで緩やかに下る。
周りには牧場が広がり、入口には石灰消毒の粉が撒いてある。この先は、日陰になるところはない。もちろんこれまでもないのだが、時間帯の関係や風が抜ける状況にはなりにくいので、更に暑くなるところだ。
芭露の町が近づいてくると応援も一際大きくなる。手を挙げて応える。おじいちゃんおばあちゃんに小さな赤ちゃんまで、暑いなかありがとう!
そしてトイレタイム!と思った時に『406○』の女性に声を掛けて頂いた。(ナンバーちゃんと覚えてますよ!)
『サロマンブルーの方ですか?すごいですね!あの~・・・。』
と言うところで予定のトイレが来てしまった!
『あ~!ごめんなさい!トイレで~!』
何か聞きたそうだったのに・・・大丈夫だったかな?(苦笑)
トイレでは小を済ませ、水道で下半身を濡らす。この100メートルも行けばエイドとなる。
40キロも目の前だ!
芭露のエイドに到着すると、まずはスイカ!バナナ!最後に被り水!
次のエイドは月見が浜を抜けて被り水。それから45キロ手前となるので、補給はしっかりした。もちろんフラスクにあるショッツも注入する。

40キロに向けてスタートすると橋があり、ここでは車が片側相互通行でランナーを通してくれる。
40キロ:4時間25分45秒/37分23秒

トイレと補給で37分台ならば問題ない。貯金も15分と快調な前半だ。
しかしこの後、45キロ過ぎからの丘陵越えがジワジワと体力を奪う。サロマ湖は平坦だというが、この丘陵があるのでまるっきり平坦だとは言えない。平坦が多い割には、サロマ湖なりの難しさがある。
それは気候と制限時間だ。特に今年は暑かった!『最高気温32℃。』
僕もクリニックで暑くなれば30℃、寒いと10℃と話しているが、さすがにここまで上がるとは想像しなかった。
丘陵越えが始まるということは、風がなくなると言うことだ。よってこの45キロからが暑さのピークになる。そんな不安を頭に浮かべながら、42キロの月見ヶ浜に向かった。
国道を離れ側道に入る。昔は舗装もされていない砂利道だった。雨の時は水溜まりだらけ。足元はグチャグチャだった。今はしっかりと整備され、歩道と車道が分かれている。左にはサロマ湖が広がり、海かと思えるほど広く見えた。
42キロの横断幕に迎えられ、通過。
42.195キロ:4時間40分52秒

こんなタイムは久しぶりだ!今のところ脚の状態も悪くない。
今はちょっと場所がズレてしまったモニュメントを記念撮影。しばらく進むと写真撮影ポイントがあり、カメラマンが車の上から狙っている。どんな写真かな?(今回は注文せず)
まもなく国道に戻る。そこには被り水がある!ちょうど給水車が回ってきていて、冷たい水をバンダナを外し、思いっきり掛けた。特に頭から首筋に滴る冷水は気持ち良かった!
ちょうどお客さんとも遭遇し、『やっと追い付いた!』の声が響いていた。『前へ前へ行っちゃってください!』これから先の暑さに耐えられるか不安だった。
氷もゲットし、バンダナに挟んでスタート!
45キロまでの間はサロマ湖沿いを走るが、昨年とは違いサロマンブルーの姿を見せてくれた。程なく45キロエイドに到着。
ここでは補給よりも、冷却!気持ちがいいので、何度も浴びてしまう!キリがないと思いつつも、何度もバンダナを濡らしては、脚を冷やした。
そして45キロを迎える。
45キロ:5時間06分13秒/40分28秒
休んだなあ。というタイム。
これは仕方ない。休憩を省いて速く走っては、最後までもたない。ここでもまた、50キロのラップが35分プラス休憩で持ち直せば問題ないと切り替えた。
45キロ過ぎからの丘陵地帯を抜け50キロ手前に被り水。
そして次のエイドはほぼ52キロ地点になる。
ということは、実質7キロを被り水だけで走らなくてはならない。ポーチの中身を最大限に発揮するポイントだ!
緩やかにカーブを繰り返しながら、勾配がきつくなってくる。しかし歩く登りではない。リズム良く、脚を運び登る。
1つ目の丘は湧別町と佐呂間町の町境にある。その近くのバス停は『町境』だった(笑)。ゆっくりと下りに向かい右にカーブを切ると50キロへ向けての直線道路。あの坂を登ればサロマ湖が見える!
手前に被り水!たくさんのランナーで混雑していた。人の隙間から、バンダナを浸した。そして50キロへ向かう!
午前5時スタート!
スタートブロックは、サロマンブルーと陸連登録の部で一番前。スタートラインまでは16秒だった。
今年は口蹄疫の影響もあり、スタートの湧別町ではあちこちに石灰消毒が。地元の協力により無事開催してもらえることに感謝してスタートを切った。
深い霧が立ち込めた昨年と違い薄い雲が出ているものの、ヒンヤリとした空気はない。
この後の気温の上昇だけが気に掛かる。
3キロ表示に気が付き、タイムは16分20秒。
あらあら早過ぎ?抑えていかねば。暑くなるのを覚悟してペースを刻む。
野辺山では、心拍数を気にし過ぎたので自分の感覚を優先させた。
今年もたくさんの方から声を掛けて頂く。クリニックに出てくれた方や、ベテランランナー、そしてブログをチェックしてくれている方。
目指すゴールは同じ!頑張っていきましょう!
クリニックで初めての方にお伝えしたのは『暑さ対策』。
自分の富士五湖・野辺山の経験から『なるべく外から冷やしてくださいね!あまり水ばかりだとお腹にくるので!』と伝えた。水分はもちろん摂らなくてはいけないが、美味しいからとたくさん飲むとやはり固形物が食べられなくなる。自分自身も後半苦しんだ2つのレースだったので今回は教訓を生かしたい!
スタート付近まで戻って来ると約3キロ。
僕の走り位置は、基本はセンターライン上。ここならばたくさんの方から見つけやすい!会話を楽しみながら進んでいた。周辺にはグランドブルーのランナーもちらほら。これは僕が速いから?とか思ったが、ただ前からスタートしただけだと、勘違いを確認した。5キロはどのくらいかな?と思いながら走っていたら、通り過ぎたことに気付く。
あとから確認すると
『5キロ:30分40秒』
実際は10キロで確認すればいいやと切り替えて、竜宮台に向けた直線道路を走る。
あの遠くの森を越えれば10キロとなる。
途中にも『ブログ見てます!』『野辺山ではお疲れさま!』と、たくさんのランナーと話した。

5キロの給水は普段は摂らない。ペース作りが優先なのだ。しかし今回は確実に暑くなるのが目に見えていたので、立ち寄ることに。
そこで考えた。
いつもは水!水!水!と真水ばかり。汗を掻く量を考えたらスポーツドリンクの方がいいかな?と、水を止めてみた。そして塩熱サプリを口に入れて、スタート!さらにショッツを流し込んで、エネルギー補充完了だ!
空を見上げると、薄く広がった雲の上間から陽射しが顔を出す。真っ青な青空が出ていないだけいい。これからの暑さを考えると、この状態がなるべく続いて欲しいものだ。
今回で18回目となるサロマ湖。今日の気温から、過去のリタイアは頭から拭えない。
特に50キロで脚が止まった2001年。
45キロ過ぎの被り水がなくなり、その場にグッタリと座り込んだ。そして応援部隊が来ていたので、リタイアの誘惑に負け、携帯電話を手にしてしまった。なんとか50キロまでは進んだが、その先を目指す気力はなかった。
そんな苦い経験から、携帯電話を持つのは止めた。
しかしリタイアした理由は、被り水がなかったからではない。
自分に力が足りなかったのだ。暑い中での練習、我慢する気持ち。あそこまで走ろう!行けるまで行こう!の気持ちが足りなかった。
翌年からはリタイアの教訓を活かし、2003年から2009年まで連続完走。2005年にはサロマンブルーを達成した。
しかし、まだ真のサロマンブルーメンバーにはなっていなかった。
あの暑い、2001年、2002年のような暑さはないのだから・・・
あのサバイバルレースを乗り越えてこそ、真のサロマンブルーメンバーなのだと感じていた。
ようやく森が近づき10キロを迎えようとする。
すると、見覚えのあるチームコアの赤いノースリーブのランナーが近づいてきた!チームコアと言えば、2年前の富士五湖の志村さん!そして先月野辺山での渡辺さん!そして今回は単独参加の石原さんの登場だ!
噂にはとても速いランナーと聞いていたが、随分ゆっくりですね。聞くとなんと疲労骨折しているらしい・・・なんとも無茶しますなぁ。また後日談では、制限時間を14時間と思っていたらしく、スタート直前に気がついたと言う。脚を考えて自重しているにしても、あっという間に見えなくなってしまった。
10キロ:1時間01分10秒/30分30秒
10キロをこんなタイムで走るのは、サロマ湖では93年の初出場の時以来ではないか?それでも無理はしていないので、キープキープ!ショッツをグイッと飲んでから、給水を迎えた。ここでもスポーツドリンク!
そして早々にバンダナを外し、水で濡らした。被る前にタイツに掛けて冷やす!首を冷やす!最後に頭に被り、いつものスタイルに戻った。この先は2.5キロごとの被り水は欠かせない。シューズ&ソックスは濡れても良いようにシルク5本指&CEPにした。
折り返して来て20キロの計測ポイントに近づくと、向こうからトップのワイナイナ選手がスゴいスピードで駆け抜けて行った!
写真もご覧のように捉えられず!(笑)
しばらく空いてから、トップ集団。そして同宿の北海道のKさんや、同行しているゴール後最終便で帰る加山さん。そして竹田さん、小高さんとすれ違った。
段々と折り返しの人数が増えてきている。逆光も重なり写真は撮れない。相変わらずセンターライン上を走り、知り合いを見つけてはハイタッチ!互いにエールを送った。
まもなく竜宮台。タイムからして結構前の方だ。
折り返してまもなくすると15キロとなる。
15キロ:1時間32分35秒/31分24秒
ここまでかなり順調!
まったく無理もせずに刻めているペース。補給も積極的にして、ショッツのフラスクは半分なくなっていた。15キロからの補給には、メダリストアミノダイレクト5500を注入!これをスポーツドリンクで流し込む。
陽射し背中から受け、ほぼ無風の状態に。毎年この辺りはこんな感じになる。それが30キロ過ぎまで。再び折り返してくると、大量に掻いた汗が冷えてくるのだ。
とりあえず、給水では足元を冷やす!ホントにずぶ濡れだ。
折り返しを目指すランナーがまばらになってくるまでは知り合いを探しているので、時間と距離が進むのが速い。
20キロ:2時間04分08秒/31分33秒

最終ランナーを見送りいつも立ち寄るトイレが近づいてきた。
往路の12.5キロ地点。被り水があり、トイレが4つだったかな?遠くから観察していると、右のトイレから出てくるランナーはいない。しばらく行くと、2人ほどコースに戻っていく。こちらはまだまだトイレタイムではなかったので、通過する予定。
出てくるランナーを見て、向かうランナーも居たが横を過ぎる時には1人待ちだった。やはり穴場かな?天候は時折雲が出て太陽を隠してくれる。長い時間ではないが、涼しく感じさせてくれる。
そして25キロを迎えた。
25キロ:2時間37分12秒/33分03秒
怖いくらい順調だ。
カラダに聞いてみる。違和感はないか?
特になし!
どちらにしても休憩が増えてくるのだ。貯金を食い潰す時間が必ず来る。無理はしていない。
すると後方から有美さん登場!
昨年は前日の食べ過ぎ?寒さから冷えた?かはよくわからないが、35キロ過ぎからトイレに行きまくり、ロスした時間は1時間!
だと言うのに、12時間20分くらいで帰って来るのだから、やっぱり速い!
昨年は10キロ過ぎに抜かれたが、今年は少し抑えている様子。さらにストッパを武器に対トイレ対策は万全のようだ。
たまにしか並走できないので記念写真!
頑張ってください!


今回のサロマ湖は根室中標津空港入り!
北海道猛暑の情報は、先入りしたKさんから入っていた!
『こちら最高気温34℃です!』実際の北見はなんと37℃!
明日はどうなるのか?不安でいっぱい・・・。
根室中標津空港からは189キロの道のりだったが、網走経由・3時間弱で湧別入り!
アシックス・ザムスト・GONなどのメーカーさんにご挨拶をして、悠林館に向かう!

今回のメンバーは10名!
仕事の都合や、体調不良で参加できなくなってしまった方々もいて、その分も頑張らなくては!
事前の準備リストを紹介しよう!
サプリメントについての変更点は、スペシャルドリンクの『ワイルドビーン×2』×『フィードバックプロテイン』また、ショッツはフラスク利用を増やし80キロのスペシャルに3つ目を用意した。後半はフラスクをウエストポーチに2つ入れるようになる。
そして54キロの着替えエイドステーションには、ベスパEX80とOS1ゼリー(スポーツルートの販売なし・お客様からのご紹介)を投げ込みウエストポーチの入れ替えと同時に摂取を予定した。他のサプリメントに関しては大きな変更はなし!
ベスパハイパー・ベスパオーカニック、メダリストアミノダイレクト5500・塩熱サプリ、そして主食のショッツエナジージェルだ!
続いてウエアリング!
野辺山からの変更点は、頭からサンバイザーをやめてニコちゃんバンダナへ!これは皆さんに見つけてもらい易いようにサロマ湖はやっぱりこれでしょ!となった。
続いてアンダーシャツは、ファイントラックから肩バランスアップアンダーへ!後半の腕振りには必須アイテムだ!腕のアームウォーマーは暑い予報からスタート時はなし、54キロに預けた。後半には同然長袖を用意。54キロまでの流れでピックアップ。もしくはアームウォーマーだけを判断する。足元は変わらずシルク5本指にCEP!そしてNEWTONは定番となった。
当日の最高気温予想が32℃。
これは久々にサバイバルなサロマ湖になりそうだ。しかし暑さに弱い自分。2001年2002年の連続リタイアは暑さに負けた。この2年間を完走せずにサロマンブルーを達成していたので、厳しい時のサロマ湖で絶対に完走したい!と言う気持ちでスタートを向かえた。


皆さんこんにちは。
サロマ湖の完走記はまだですか?と突っ込まれても仕方ないのですが、暑さにやられ校正が進んでおりません・・・もうしばらく長い目で見てやってください。よろしくお願いします。
さて、アートスポーツ池袋店のブログを見ていただいている方には、またですか!と言う声もあるかもしれませんが、ご紹介させてください。
この2010年ミッドサマー企画で発売された『TYR』のグラデーションTシャツを!


僕らはバイヤーの仕事もしているのですが、昨年の秋に訪れた展示会で発見しました!!
このデザインに一目惚れ!!特にこのパープルにはゾッコン!!
レディースウエアが華やかになる中で、メンズはありきたり・・・。
せめて色だけでも!と、今年のウルトラマラソンはピンクで走りました!!
しかしこちらのウエアは、一瞬ではランニングウエアと感じさせないデザイン。
我が家の子供にも『パパカッコイイ、服が!!(大爆笑)』と好評です(苦笑)
デザイン重視だと機能性が・・・ちょっと・・・。
ということも多いのですが、こちらのTYRのウエアは清涼感&ベタつきなしの高機能シャツなんです。
でも値段も手頃でTシャツ¥4,830、ノースリーブ¥3,780となっています。
ブログでのご紹介でもすぐに皆さんからの反応があり、今までのデザインに飽き飽きという方が多いんだなあと実感しました。
それでも引き続きご紹介するには理由があるんです。
もちろん、僕が秋の『えちご・くびき野100キロマラソン』に着用しようと思っているんですが、ご紹介したお客さまからのフィードバックがとても良いんです!!
・T様
『表面は汗でベトベトなんですけど、中はクーラーが効いているかのように涼しくて最高でした!!今までにこんな着心地を体験したことないです!!』
この日のブログが秋のウルトラに向けて!というタイトルで書いていたので、『いや、真夏に絶対オススメです!』とコメントいただきました。
・Y様
TYR調子いいですよ。Tシャツの袖がない分風がよく当たり、気持ち良いです。素材も吸汗性が良いので、おなかがべとべとしないのがいいですね。

僕も先日午後2時から2時間40分で21キロ走りました。
とにかく暑いのですが、首をしっかりと冷やして40~50分のランを繰り返します。夕方にかけて日が傾いてきたり、風が吹いてくると本当に涼しいです!!
ノースリーブでの練習は、夏にしっかり練習しているように見えるので(笑)半袖焼けよりもカッコ良く見えます。もちろん、腕回りの快適性もいうまでもありません。
このTYRのグラデーションシャツシリーズは、アートスポーツ池袋店のみ全色展開です。
合わせのパンツも出ています。
是非アートスポーツ池袋店でご覧になってください!10月くらいまで活躍すること間違いなし!!
冬はアンダーウエアを着用すれば暖かく使えます!!
楽天市場でも販売中です!(Tシャツパープルほぼ完売です)
http://item.rakuten.co.jp/artodbox/tyr10ms_tsht4-10m/
http://item.rakuten.co.jp/artodbox/tyr10ms_tsht5-10m/
まずは信号待ちをして左側車線に渡るが、まだまだ回復してこない。
安田さんに先に行ってもらい、自分のリズムを優先させた!
少しだけ膝に手をつき大きく深呼吸。
ショッツを早速摂る。やっぱりワイルドビーンのコーヒー味が効く~!
さあ、行こう!信号待ちの5~6人の集団で走るのはあまり得意ではない。
サロマ湖でもそうだが、最初に歩き始めるのは僕だ。
もちろん練習量の差だと実感している。なので、なるべく最後尾に、もしくは距離をとる。
そして200メートル先行する集団を追いかけて走る。
そして歩く、走る!十分な休息によりペースアップ!ここでは約1キロ維持できた。
そのペースはおそらくキロ7分くらい。当然前の集団をパスし、前に出る。
そして後ろの間隔を確認して走っていると、抜いた集団のランナーのペースが上がり着いてくる。
ある程度の加速の後は歩いて休憩。
皆、僕がギリギリランナーなのを知っているのか、あっという間に置いていかれた。

そして90キロと思われる計測テントが山へと繋がる道の途中に見えてきた。
『結構な坂だこと!ここに来てこれですか!』
野辺山が日本で一番厳しい大会である理由がわかった気がする。
さてこのまま、最後まで坂なの?下りは高低図を見る限りない。う~ん厳しい!
90キロ 12時間31分14秒 46分26秒
またキロ9分の貯金がなくなった。しかし、諦めずに行くしかない!絶対に間に合うぞ!
と、前方に見たことのある赤いユニフォームの男性が!
後方を見やり、『ニヤ(汗)、やっぱり来ましたね。』的な顔をするランナーがいた。
それは富士五湖ステラシアター手前でお会いしたコアスポーツの渡辺さんだった!
富士五湖では脚がすでに固まり、歩くのもままならずペースアップはできなかった。
しかし今回はまだ動けている。
『行けますか?このまま歩いていたら、間に合わないので、一緒に行きましょう!』
コースはまだ登り坂。酷な話だ!
『違う筋肉を使いたいので、電柱1本分で良いので、走りますよ!それ!』
渡辺さんのカラダは引き締まって絞られたランナー体型!
しかし、上半身は丸まり股関節が痛いようだ。
『間に合いますか?』の問い。
『大丈夫です!大丈夫!猫背になっているので、しっかり胸を張ってください!歩幅は小さく、腕を振って!』
30メートルくらいのランを繰り返し、坂を登る。
歩きに入るとフラスクを渡し、ショッツを摂ってもらった。
補給食などは持っていないようだったので、ガス欠に注意が必要だ。
周りのランナーの大半は歩いているので少しずつ距離が離れていく。
『歩きだけよりもキツいですけど、(周りの人より)速いですよね!ほんのちょっとずつでいいんです!頑張りましょう!』
普段ならば身の上話などをしながら、気分が紛れるようにするのだが、今回は初の野辺山。
自分にも余裕がなかった。
また渡辺さんの表情は険しく、ゴールに対する熱意が伝わってきた。
『このペースならば大丈夫ですから!下りが見えてきましたよ!もうすぐエイドですからエイドまで頑張りましょう!』
到着のエイドは93キロだった。時間は12時間59分くらい。
7キロあってキロ9分だと63分。
相変わらず8分30秒くらいで走らないと厳しいペースだが、今の走りならば問題ない。
ラスト3キロくらいからは自然とペースが上がるものだ!渡辺さんの気力に掛けた。
ショッツと塩熱サプリを2人で摂りエイドを離れた。
この先は長く続く道。先までランナーの姿が見えている。
JRの踏み切りを渡り走り続ける。この踏み切り、ゴール近くにもあるよな?
踏み切りに捕まってゴールに間に合わなかった!って話は聞いたことがないので、大丈夫だろうけどちょっとだけ不安になる。
僕はトイレ休憩をしたかったので、渡辺さんに『先に行ってください!自分のリズムで良いですからね!』
全工程で3回目のトイレだ。
100メートルぐらい離れた渡辺さんを追いかけるが、同じように走って歩いてなので、少しずつしか距離は縮まらない。
僕もカラダは一杯一杯だった。
チームメイトを応援するYさんから
『あの盲人ランナーの方は必ずゴールするから、前にいれば大丈夫だよ!』
とアドバイスを貰う。その方々は87キロの出発から前後しながら走っていた。
90キロから前に出てからは、30メートルくらい後方を常にゆっくりではあるが、確実に走っていた。
なるほど、あの走りは確実だ・・・。
95キロ 13時間17分25秒 46分11秒
95キロを過ぎ渡辺さん追い付き、タイムを確認する。
『どうですか?』と渡辺さん。
『あと40分ちょっとなので8分ちょっとで行ってギリギリですね。でも大丈夫!最後頑張れば!火事場の馬鹿力ってヤツですよ!』
休憩を入れて46分。実際は45分で5キロを走っている状態。
このペースのままでは無理だ。
しかし、間に合わないとはまったく思ってはいない。
まだまだ坂道が時折出てくるので、そこは歩きを混ぜる。
段々とゴール会場のアナウンスが耳に届いてきた。
しかし、本店林くんの攻略マップには『ラスト3キロで折り返す』とあったので、『もうすぐラスト3キロですよ!』と伝えた。
ゴールまでのカウントダウンの距離表示に変わり、ラスト4キロでは残り34分。
坂を登り切り、左折して最後のエイドがあった!が、ラスト3キロ表示で26分だった。
『このまま行きますよ!』とエイドに寄らず走り続けた。
ゴールに背を向ける方向で、遠くにゴールを目指すランナーの姿が米粒のように見えた。
しかしコース的には下り坂。
一層険しい顔になる渡辺さん。歯を食い縛り痛みに耐えている。
少しだけ前を走り、ペースを上げる!それにしっかり着いてくる渡辺さん。
遠かった90キロからの旅がようやく終わる。
もちろん時間内完走と言う形で終わりを迎えるべく、気合いを入れ直した。
ラスト2キロの看板が見えて来た時、渡辺さんの仲間が応援に駆けつけて来た!
『ラストだよ!絶対間に合うぞ!諦めるな!!』
その人数は1人、2人、3人と増え、大きな集団となった。
サプライズの応援に渡辺さんのペースも上がる!
緩やかに右カーブを切り、次の交差点を右に曲がれば後は野辺山駅前まで一直線だ。
そして左折し坂を登ってゴールとなる。
僕は渡辺さんの完走を確信した。
その直後、気持ち悪くなってしまい『先行ってください!!』少し歩く。
気を抜けない状況だったので、一気に疲れが来たがすぐに持ち直し、ショッツを注入!
ラストスパートに切り替えた。
渡辺さんの後方に追い付き、『あと11分の我慢ですよ~!我慢我慢!!』
もちろんこれは自分への掛け声でもある。
あと1キロちょっと!走り切れ!!と鞭を打った。
最後の踏み切りで電車は来なかった(笑)。良かった・・・。
あと1キロを切って時間はあと9分・・・。
行ける行ける!!渡辺さんの前に出て『頑張れ~!粘れ~!』
ゴール会場に近づき観衆も増えてくる。
『良くやった!間に合うぞ~!お帰りなさい!!おめでとう!!』の声援が嬉しい!
走り終わったランナーの中に、50キロのお蕎麦行列で一緒だったカップルの方を見つけてガッツポーズで応えた!
バンダナ姿にしておいて良かった!『アート鈴木さんがやっぱりギリギリで戻って来た!』と一目でわかるから、応援も大きく感じる。
それが嬉しい!!
サロマ湖もやっぱりニコちゃんバンダナかな?なんて思いながら、最後のコーナーを曲がった。
渡辺さんは10メートル後方を着いてくる。
そして前方のランナーとの距離を確認。
後方を見ると、渡辺さんを交わし走るランナーがいたので、こちらはラストスパート!!
両脇にランナーを見守る人垣ができてハイタッチで応える!
ようやく約14時間掛けて戻って来た!
ライトアップされたゴールゲートへ向かうと、高瀬みどりさんが『鈴木さん~!戻って来た~!演出してくれますね~!』と(苦笑)。
十分に前と後ろの間隔を空けてフィニッシュテープを切った!!ゴール!!『よっしゃ~~!!』
100キロ 13時間58分22秒 40分57秒


たくさんのお客さんに迎えられた!そして安田さんもゴールしていた!!
気になるのは後方の渡辺さん!!見事に13時間58分32秒でゴールした!!
おめでとうございます!!!たくさんの仲間に囲まれて完走の喜びを分かちあっていた。
そして僕も渡辺さんの元へ!!ガッチリ抱きしめ合い、喜んだ。
僕も1人ではダメだったかもしれない。渡辺さんの頑張りが僕を奮い立たせてくれた。
そして残り1分30秒の間にも途中でお会いしたお客さんが駆け込んできた!!
そしてあの盲人ランナーの方も伴走者の方とキッチリとゴールされていた。
これには脱帽です。素晴らしい伴走者との信頼関係ですね。
ゴールしての感想は、野辺山に比べたら他のウルトラマラソンはコース的には楽だなと言うのが一番だ。
もちろん、それぞれの大会での厳しさもあるが、この完走は自信になる!
これで来年からは『野辺山直前クリニック』も開催できそうだ!

こうして初めての『八ヶ岳野辺山高原100KMウルトラマラソン』が終了した。
アートスポーツからのもう1人の本店林くんは12時間27分24秒でしっかり完走。
後半歩きばかりと言うのに速いタイムだ。
詳しくはこちらでチェック!!
レース直後は、富士五湖と違って興奮状態で疲れを一切感じなかった。
また途中並走してお話をしたお客さんと写真を撮ったり、会話ができるくらい大丈夫だった。
リタイアのモチベーションと完走のモチベーションの違いに自分で驚いた。
しかし食べ物はやはり受け付けず、レース後30分以内に摂取したベスパも戻してしまった。
今回は帰宅に関しては、アートスポーツの車送ってもらえたので安心だった。
暖かくして回復してくると、撤収作業を手伝う。と言っても軽い物の持ち運びだけ。
すると異様にふくらはぎが軽いことに気が付く。触ってもまったく張っていない。
また大腿四頭筋の疲労も富士五湖よりは軽かった。
その後、月曜日から池袋に出勤。月曜日よりも火曜日に太ももに筋肉痛が来たが、ふくらはぎ部分は大丈夫だった。
またSKINSを着用して過ごしていたので、筋肉痛やだるさは水曜日にはなくなっていた。
この結果、あの野辺山の起伏でこのダメージであればやはりサロマ湖は『NEWTON』&『CEP』は絶対決定となった!!
タイムが速くなるとは考えにくいが、可能性はありそうだ。
八ヶ岳野辺山高原100KMウルトラマラソンを振り返って
まず、春のウルトラマラソン第2戦目と言うことで、富士五湖に続いてリタイアしなくて良かった・・・と言うのが本音・・・。
そして富士五湖を完走できなかったことをまたしても後悔してしまった。
しかし、すべては富士五湖の失敗があってこその完走だったと言える。
出発前日までに富士五湖の反省記を完成させ、気持ちをしっかりと野辺山1本に持って行けたこと。
さらに反省記を読み返すことで、同じ失敗を繰り返さない!対策を練ることができたのが大きい。
大会間隔2週間。富士五湖直後の発熱などにより、練習は1回の高尾~陣馬山マラニック30キロ5時間34分のみ。
暑い中、トレイルをNEWTONで走れたこと。
また高尾山山頂からはアスファルトの1号路を下りることで、下りの走り方を研究できたことが何よりも収穫だった。
そして脱水症状対策。
ショッツの積極的摂取により回復した富士五湖後半を、今回は前半から実行した。
58キロまでに7本。58~87キロまでに3本。87~100キロまでに3本。
この他にスペシャルドリンクで2本用意した(1回摂取)。
塩熱サプリ(ラムネタイプ)の使用による電解質の摂取。前半は乳酸対策にメダリストアミノダイレクト5500を3本摂った。
63キロから約10キロは暑さの為にやはり低血糖に近い状態になってしまったが、これは今思うと、やはり固形物の摂取ができなかったことに因るものだろう。
これを生かしてサロマ湖ではゼリー状で摂取しやすいものを用意しても良いと感じた。
あとは早い時間帯でのショッツと固形物の併用だ。
今回は吐き気を催すのが怖くて、前半からほとんど食べなかった。
また今回も薬は頼らずに走った。サロマ湖はどうしようか?考え中・・・。
レース全体を振り返ると、やはり2年前に71キロを経験していたのも有利な方向に働いていたと思う。
それにより前半からの下りの飛ばし過ぎを注意できたり、71キロまでの登りのペースに関しても把握できたのだ。
準備編にも上げたが、まずは計画がしっかりと練れたのは大きい。
20キロ・50キロ・71キロの到着時間の計画は前日計画でありながら的確であった。
また計画を実戦できた実行力も今回は評価したい。
心拍数を見ていこう。一番下の1~20までは5キロごとのラップ(1、5キロ 2、10キロ・・・20、100キロ)
色の濃い部分は標高20キロまで

40キロまで

20キロから25キロまでの下りはグリーンの範囲内。
そして25キロからは登っているのでオレンジに移行。
35キロまでのアップダウンでも標高と見事にシンクロしているのがわかる。
60キロまで

40キロ手前から下りだして50キロまではグリーンの範囲内に収まっている。
50キロでお蕎麦待ちなどあり。その後はオレンジの中程150のラインで安定している。
60キロ手前では着替えエイドがあり10以上休んでいるのがわかる。
80キロまで

ここから徐々に体調の変化が見られる。65キロからの登りになっても心拍数が上がってこない。
これは走れていないのがわかる。
本来ならば、下りで140以内(グリーン以内)で走れたのであれば、徐々にオレンジに推移しながら登りを走れなくてはいけないのだ。
レース中は単純にツライだったが、心拍数を見ても良くわかる。
75キロからの登りでは心拍数は一定ながらも標高は上がっているので、ペース的には落ちている。
馬越峠頂上手前でエイドで休んで、それからは頑張って登っているのもわかる。
100キロまで

馬越峠の下りは慎重に下っている。
また85キロ以降は平坦になってペースを維持しようとしているので、心拍数は上がっている。
そして87キロで休憩(約10分)し、90キロからは、もう止まれない!と言う状況で走らないと間に合わないと言うのが伝わってくる。
ラストに向けて心拍数もアップし、ラストスパートに繋がっている。
このように振り返ると、次回参加する場合は63キロから87キロの24キロの走り方が重要になってくる。
ここをしっかり走る為には、繰り返しになるが前半からしっかり固形物を食べながらここまで余力をもって走ってくると言うことだ。

最後に今回この八ヶ岳野辺山高原100KMウルトラマラソンに参加して本当に良かったと思います。
自分の自信にも繋がりましたし、日本一の難コースを走ることができて楽しかったです。
やはり、たくさんのお客様が声を掛けてくれることで、楽しく走ることができました。
周りの皆さんにもアート鈴木さんを見掛けることができて良かった。
話せて良かったと思って頂ければ、1人で参加していると言う思いもなく走れると思います。
今回もギリギリでしたが、やっぱり自分にはスピードは似合わないかな?と認識しました。
これからももちろん努力はしますが、あまり期待しないでください。
そして前半早い位置で見掛けましたら、どんどん前に行ってください!
休憩の長い自分は、制限時間5分以内のテリトリーまで下がって来ますので・・・(笑)。
それが自分のスタイルです。
また皆さんと一緒に大会でお会いできることを楽しみにしています!!
参加したランナーの皆さん、大会ボランティアの皆さん、本当にありがとうございました!!また来年???
八ヶ岳野辺山高原100KMウルトラマラソンに初めて参加する方へのアドバイス
ポイントはなんと言っても『下り』。如何にダメージを最小限に抑えられるか?
次に後半の平坦や緩やかな登りで走れる脚力。
最後には食べることのできる内蔵の強さ。
そして、事前の計画性。
